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<<   作成日時 : 2007/03/07 11:00   >>

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しっとり明治の佇まいで伝統の「すき焼き」―湯島「江知勝」

タマ「昔から外国でも有名な和食といえばすき焼き
   歌の英語のタイトルになっているものね。
   でも、私達が大好きなすき焼きの味が
   そのまま海外で供されているかといえば
   それは難しいわね。
   魯山人がNYで食べたすき焼きは、
   桶のような鉄鍋に菜っぱをてんこ盛りにして
   お肉幾片をグチャグチャ煮ている代物だったらしいわ。」

ポチ「東欧に旅行したとき
   バーで『すき焼きソング』がかかっていた。
   しかし、私達が大好きな、というのは語弊がある。
   私は甘ったるいすき焼きはあまり趣味ではない。
   それにしても、世界的に有名な和食の代表格とはいえ
   すき焼きの歴史は意外と浅くて、幕末頃のようだ。
   日本では長らく肉食が許されなかったからね。」

タマ肉食解禁はたしか明治4年。
   牛食イコール文明開化だったのでしょ。
   西欧列強との外交の必要上、
   明治政府がフランス料理を宮中の正式料理に採用したのよね。
   明治天皇が自ら牛肉を食べて国民にも牛食を奨励したそうだけど
   狂牛病のときに農水大臣が焼肉食べていたのと同じね。」

ポチ「当時の外国人は『肉を食べ、血を飲む』と気味悪がられていたし、
   牛食も最初は多くの日本人にとって抵抗があっただろうね。
   今でも外国からのお客さんには
   すき焼きかしゃぶしゃぶを出せばいい。
   高級会席よりも喜ばれるし安上がりだ。
   関東では、横浜開港後、ある居酒屋が
   牛肉を濃い味噌だれで炒り煮した『牛鍋』を売り出したのが始め
で、
   牛食普及とともに繁盛したらしい。
   維新のときも外圧で輸入し、
   ちょっと前は牛肉・オレンジの輸入自由化が大問題となり、
   最近は狂牛病の後の輸入再開で揉めて、
   牛肉は国際問題と切っても切れない関係だ。」

タマ京都では、幕末に三条河原にすき焼き屋ができたのが最初のようね。
   先斗町にあるすき焼きの老舗『いろは』明治44年創業
   「牛なべや」の『いろは』として創業して、
   大正に入って「すきやきや」の『いろは』を新築開店したとは面白いわ。
   牛鍋って関東の専売特許かと思っていた。」

ポチ「関東と関西では調理法も違う。
   そもそも、すき焼きの由来は
   魚介と野菜を杉の箱に入れて味噌煮にした「杉やき」
   農具の鋤の上で鳥や魚を焼いた「鋤焼き」
   薄く切ったすき身の肉を使うから「すき(身)焼き」
   諸説あるようだ。」

タマ「私は関西だから、大きくなるまで
   『割下』というすき焼き用のタレの存在を知らなかったわ。
   野菜は水が出るからお肉と一緒に焼いてはダメ!
   お肉の隣に糸こんにゃくを入れるとお肉が硬くなるからダメ!
   うるさく言われたものです。」

ポチ「東京のすき焼き屋といえば、『浅草今半』も有名だが、
   湯島天神近くの『江知勝』明治4年創業
   解禁時からの牛鍋を今に伝えているわけだ。
   川端康成も通ったらしい。

タマ「明治時代にタイムスリップしたような
   情緒たっぷりの門構えね。
   長く続く板張りの廊下が旅館のような佇まい
   行くのは夜だから、
   日本庭園が暗くてよく見えないのが残念だけど。」

ポチ「古い家屋は、
   真昼間より少し暗い方が雰囲気があるんだよ。
   真新しくて設えも豪華な料亭の座敷もいいが、
   こういうレトロな個室も落ち着いて食べられる。
   仲居がつくけど、後は自分でやるからと言えばいいし。」

タマ松坂牛のすき焼きコースは、
   お肉のランクによってコースが選べるのが良心的よね。
   上質の霜降り肉でも12,000円ぐらいで食べられるわ。
   関東風だけに、ちょっと辛目の味付けね。
   具材は豆腐、白滝、春菊、葱とシンプルだったわ。
   それだけ美味しいお肉の印象が強くなるのね。」

ポチ「春菊よりもほうれん草の方がいいのだけどね。
   魯山人は、
   牛肉の持ち味を壊さないための
   自分流のすき焼き調理法を考案している。

   まずは牛の脂身を炒め、
   霜降肉だけを酒と醤油と味醂で焼いて食べる。
   次にだし汁を足しザク(具材)だけを食べ、
   肉とザクを交互に食べるらしい。

   『酒呑みのためのすき焼きには砂糖は入れない』とも言っているが、
   私もこれには賛成だ。
   ザラメを入れるのはちょっと参る。」

タマ「砂糖は多少入れた方がコクが出ると思うんだけど・・・。
   酒呑みポチには
   先斗町『いろは』の「しおやき」がよろしいのでは?
   すき焼きと同じお肉を塩だけで味付けて
   割下をポン酢で割ったタレでいただくの。」

ポチ「それは、うまそうだ。」

タマ「そういえば、
   祖父が『すき焼きは子供の食べ物』と
   言っていたのを思い出したわ。」

ポチ「そうだよ。
   すき焼き大好きタマは子供なんだよ。
   すき焼きに入れるうどんが大好きなんだよね?
   お子様だ。」

タマすき焼きの最後のうどんは誰がなんと言おうと絶品なの!
   次からポチにはあげません。」



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すき焼 江知勝
文京区湯島2-31-23
Tel:03-3811-5293
営業時間:17:00〜21:30
定休日:日曜、祝日

すきやき いろは 本店
京都市中京区先斗町四条角(四条大橋西詰)
Tel:075-221-3334
営業時間:17:00〜22:00
定休日:だいたい毎週火曜日



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